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本心はかなり落ち込んだけど反省は試合の後にしよう

 
 
全米オープンテニスの準々決勝で
錦織選手がイギリスのマレー選手をフルセットの
激戦の末に勝利し、2年振りのベスト4に進出しました。


振り返れば2012年の全豪オープンで、
初めてグランドスラムでベスト8入りを果たした
次の対戦相手がマレー選手でした。


そのとき、錦織選手は乗りに乗っている状態で
民放でも放送する騒ぎになっていたのを覚えています。


でも、
今回と同じようにベスト4をかけた戦いでは
マレー選手に手も足も出ない内容で大敗しました。


マレー選手は本気を出す前に勝ったような感じで
試合後のコメントも社交辞令で錦織選手を称えていました。


それが何だか悔しくて、
今でも覚えている印象深い試合のひとつです。


それが時を越えて、奇しくも同じ準々決勝で
マレー選手との対戦となりました。


立ち上がりはマレー選手の展開で試合が進み、
前回のリオオリンピックトと同じ流れで1セットを取られました。


だけど、
雨などの中断もあって冷静さを取り戻した錦織選手は
ここから怒涛の追い上げを見せるのです。


1ー6、6ー4、4ー6、6ー1、


そしてファイナルセットへ。


先にブレイクをした錦織選手でしたが、
4ー3での自分のサービスで取れそうなポイントを落とし、
最終的にこのゲームを落としてしまいました。


そして次のサービスゲームをキープされて4ー5。


精神的には「このまま負けたら後悔する」という
心理状態になりますよね。


だけど錦織選手は、
「本心はかなり落ち込んだけど反省は試合の後にしよう」
と切り替えて、10ゲーム目に挑んだそうです。


そこからも自分のテニスである
攻撃的なテニスを貫いてサービスゲームをキープしました。


ファイナルセットで5ー5。


こうなると、
どちらも精神的にしんどい状態です。


それでも錦織選手は攻撃の手を緩めません。


ミスをしても何度もネットに詰めていったり、
チャンスは思いっ切りラケットを振り抜いて
エースを取りに行きました。


そういう攻撃がじわじわと相手にプレッシャーを与え、
大事なポイントでマレー選手は痛恨のダブルフォルトを
犯してしまいました。


結果的にそのダブルフォルトが響いて
錦織選手がブレイクに成功したのです。


ゲームカウントは6ー5。


次の自分のサービスをキープしたら
歴史的な勝利が待っています。


こんな状況でサービスを打つのは
試合に出たことがある人なら分かると思いますが嫌ですよね。


実際、
最初のポイントはダブルフォルトからスタートしました。


ただ、ひとつ前のゲームでマレー選手が
犯したダブルフォルトはネットフォルトでしたが、
錦織選手はエース級のセカンドサービスでのオーバーフォルトでした。


こんな大事な場面でも、
錦織選手は攻撃的なテニスで挑んで行ったのです。


その姿勢は最後までとどまることはなく、
最後は強烈なアプローチでネットに詰めて、
マレー選手がパッシングをミスをしました。


まさに錦織選手の強気なテニスが
マレー選手を超越した瞬間でした。


今年のウインブルドンとリオオリンピックで優勝している
絶好調のマレー選手にファイナルセットを取って勝利したのに、
次の戦いを見据えて、冷静に勝利を噛み締めた錦織選手の姿は、
2年前にジョコビッチ選手を倒して優勝したような喜び方ではなかったです。


去年は1回戦敗退という悔しい思いもしていたので、
これまでの色んな経験が今回の勝利に結びついたのだと思います。


いつも思うのですが、錦織選手はこれまでの日本人選手が
誰も果たせなかった偉業を次々と成し遂げていきますが、
その裏側では誰も経験したことがないような辛い経験も
していると感じます。


なぜなら、
錦織選手の戦い方やコメントには、
いつもこれまでの経験が含まれているからです。


当然、才能溢れる選手だと思いますが、
「色んな経験を次に活かす努力ができる選手」
と私は評しています。


なかなか彼のテニスを真似することはできませんが、
経験を活かして努力することは誰にでもできますよね。


だけど、どんな小さなことでも、
そこから自分を高める努力をすることは
真似できるはずです。


失敗も、辛い経験も、悲しい出来事も、
そのときはマイナスかもしれませんが、
必ずプラスに転換できます。


それをテニスを通じて証明してくれた
錦織選手に私は感謝しています^^


では!


スリー

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